車が過ぎ去る音だけの深夜に、1人の少女が歩いていた。
その街灯に照らされた繊細な顔つきは、何か大切なものを落としたかのように
辛そうに揺れている。
何か言いたげな口を開き、心の中でこう叫んだのだった。
『あ''ぁーーー!推しに貢ぐ金がねぇよ!!』
高校生の少女はそう嘆くと共に、イヤホンを外し空を見上げた。
美しい三日月が見える今日に、またあの苦しかった日々が甦る気がして、
スマホに目線を落とした。
空から何かが降ってきそう、そう思った途端に上に白い鴉が止まった。
『うわっ…不気味…』
早足で家に帰る路地を歩いていく。
『あぁ、空に登って、新しい人生を歩みたい。もうこんな人生飽きた…。』
そう思いながら、道路を歩いていた時、
_____________とてつもなく痛い衝撃が走った
汚い音、焼けるような痛み。
意識が朦朧としながら、トラックからシルクハットを被った1人の人間が
近づいてくる。
「あれぇ?これでおしまい?」
シルクハットの者はあざ笑いながらこちらを見つめる。
なにも言い返せず、涙を流すことしかできない自分が憎かった。
涙が、無力な自分への憎しみと共に冷えていく。
6月14日23時47分。
そこで、1人の少女の短かった人生は、無力のほどに幕を降りたのだった。
公開 最終更新: 2026-10-20 08:48:08 AM