祈り告げる27時。 1
劣等感情かなんだかわからないが、最近よく、だるい。
ふわふわしている光の中、僕はどこかに向かっていた。
もうそろそろ、終わるだろうか。長い長い騒がしい路地を歩いているときは、いつもBluetoothを耳につけている。
それは大きな音を聞くと、頭が壊れるから。
僕の名前は、「達絵 綾矢(たつえ しゅうや)」
XXXX年X月X日 27:00
僕に告げられたのは……。「脳内配色性ショック症候群」
僕の、僕だけの、病気。未発見、治療法すらわからず、いついなくなってもおかしくはない。
そんな僕はこれまでずっと、病棟で暮らしてきた。感染症ではないとわかった時、16歳になった僕は病棟を追い出されていた。
国からの支援金は、不自由ではない。結構贅沢に暮らせていたと思う。国から支援された家に住み、国からの支援金で全てを行った。
そんな中で、やっぱり自分には何かを感じていた。
絵を描くことが好きだった僕。そして同じA号棟にいた、歌が上手いルームメイトの「星歌 声螺(せいか しょうら)」。
僕らは2人で音楽活動をすることを夢見ていた。
そして今。
部屋に釣られたギター。マイク。モニター。
僕の鉛筆。スケッチブック。濁った色のついたイーゼル。
配色された黄色の光が、レースカーテン越しに水の入った筆立てを照らす。
「もう、終わってしまった。」
沈み込んだ声螺の笑顔。歌声は僕の心を彩った。逆さまになって、世界の声を避けたくなって。
彼に飲み込まれていた心が、黒く、腐っていくのが感じられた。
そう。声螺は、僕を置いて逝ってしまった。
僕の心の半分は、だんだんと侵食されていった。
その時。ふと上を見上げた。雨。太陽に照らされた、雨。筆立ての水が、彩られていく。
玄関の扉が不意に開く。その場から足が動かないまま、相手の足音が近づいてくる。
「ただいま。」
その声は…。僕の頭は、一瞬で彼に吸い込まれていった。
その後27ヶ月。僕に、意識はなかったという。
公開 最終更新: 2026-10-19 12:05:01 PM