オイチョカブとババロア

オイチョカブとババロアの間に産まれた息子こと、オレ。 今日も何か面白い事がないか村の掲示板を見てみたんだ。 そしたら……………………… 『今度の日曜に勇者様が村にやってきます!』……って書いてあったんだよ! いやぁ~楽しみだな~!! そして待ちに待った日曜日が来たんだけど、オレは勇者が来るっていうのに家の片付けをしてる。 だってオレは勇者様に会えるだけでいいもんねー。 あ、母ちゃんが呼んでるから行ってくるわ! 行ってらっしゃーい! うわーすげぇ人がいるよ! 勇者様どんなかな?かっこいいかな?優しいかな? 「みんな集まってくれてありがとう。今回来てくれたのはここを治める領主の息子さんでこの村出身の勇者さまだ」 おおぉおぉぉ!!!!!! やっぱ盛り上がるなー。勇者さまかっけえぇぇ!!! 「勇者さまにはこれからダンジョンを攻略してもらいたいと思っています。 ですがその前に魔王を倒していただきたいのです。 どうかお願いします!」…………なんか話進んでんぞ!? 勇者さま強そうだけど大丈夫なのかな? 「では勇者さま自己紹介をよろしくお願いします」 「僕はルシウス・マルス。オイチョカブとババロアの間に産まれた彼に用があって来た」は?え?ちょま?なんでバレてんの? え?え?え? 「ちょっとどういう事ですか村長!!」 「どういう事も何もそのままの意味だよ?」 「僕が聞きたいのはその言葉じゃなくてですね!何故彼がここにいるのかですよ!」 「そりゃお前がこの村出身だからだろう?」 「そういう事を言ってるんじゃないんですよ!!」「まあまあ落ち着いてください」 「これが落ち着いてられるわけ無いでしょう!」 「でももう決まってしまった事なので諦めてください」 「そんな……」 「それでは皆さん解散して下さい」 「本当にそれで良いんですか!?」 「はい」 「わかりました……」 「じゃあね〜」 「失礼しました」 オレも帰ろうとするが勇者様が近づいてくる 「ねぇ君僕のパーティーに入ってくれないかい?」 「はいっ喜んで!!!」 こうしてオレの冒険が始まった。 この選択が後に世界を変える事になるとは知らずに……。 「おい!起きろ!いつまで寝てるつもりだ!」……夢か、懐かしいなぁ。 オレの名前はアルバス・カルマ。 元勇者である。 オレが冒険者になった理由?それは簡単。 金がなかったからだ! いやぁ〜最初は大変だったぜ? 何せ無一文で家を出たからな! 強盗で何とか食いつないだモンさ。そして数年後、ついにダンジョンを見つけたのだ! それからの日々はとても充実していたと思う。 仲間を見つけ、ダンジョン攻略をした。 だがある日突然、国王を名乗る奴が現れこう言った。 「お前に頼みがある。我が娘を助けて欲しい」と。 その時オレは何を考えただろうか? もちろん答えは1つしかない! 断ろうと思ったのだが報酬を聞いて考えが変わった。その額約100億ゴールド!!! 100億円だ!凄すぎる!! そしてオレは引き受ける事にした。 しかしここから悲劇が始まることを今のオレはまだ知らない………… あれから数年たった今でも私はあの時の決断を後悔している。 私の目に映るのは血の海、死体の山。 ここは地獄絵図か?そう思わせるような光景が広がっている。私が一体何をしたと言うんだ? ただ頼まれただけじゃないか! どうしてこんな事にならなくちゃいけない? 誰か教えてくれ……頼む……助けて……くれ…… ドゴォーン!! 何の音だ?まさか敵襲か? 「どうなっている!?何故ここまで侵入を許している!」 「それが……何者かに城が乗っ取られておりまして……現在応戦中です」 「敵の首班は!?」 「それが…『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』を自称してます」「なに?……オイチョカブとババロア?……まさか!?」 「はい。恐らく魔王の手のものかと思われます」 「わかった。至急対策本部を作る。お前は逃げてきた民の受け入れをしろ」 「はっ」 これはまずい事になったかもしれないな。 魔王の復活、それに勇者の裏切り…… 世界の終わりか?とりあえず王都にいる勇者に応援要請を出さなければな。 「陛下!」 「今度はなんだ!」 「例のものが目覚めてしまいました」 「なに!?もう目覚めたというのか!?」 「はい」 「今すぐ向かう」 〜数時間後〜 「ここか」 そこには異様なオーラを放つ生物がいた。 「やぁ遅かったね」 「貴様!なぜここに居る!?」 「僕は彼の中にいるからね」 そういうことじゃないわっ!!なんで生きてるねん!! いや待て落ち着けまだ負けが決まった訳じゃ無い。むしろチャンスだと思え そう。こいつは勇者の息子なのだ。 人質になる可能性は高い。ならばここで倒せばいいだけの話ではないか! だが、オイチョカブとババロアの間に産まれた息子はもはや人間では無かった…いや正確には人間の皮を被った化物といった方が正しいだろう。 圧倒的な魔力量、速度、パワー、そして回復力。全てが常軌を逸していた。……そして勇者の息子である事を証明するかのように、魔法は全て吸収された。 「クッソ!!」 「あーぁそんな言葉使いしちゃダメでしょ?」 「グハァッ!」 ……そしてあっけなく殺された。 「ふぅやっと終わった」 「よくやった」 「ありがとうございます」 「これで私も安らかに眠れる」 こうしてこの国は滅んだ。 「ん?ここはどこだ?確かオレは……」 「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」 「おおぉぉ!生まれたぞ!俺の子だ!!」 そして産まれたのは…『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』だった。 この世界でその名を知らないものはいない。 初代勇者として語り継がれる男の名だ。 この物語の主人公であり、後にこの世界の歴史を変えることになる者である。 オレの名前はアルバス・カルマ。 元勇者である。 オレが冒険者になった理由?それは簡単。 金がなかったからだ! いやぁ最初は大変だったぜ? 強盗とかやって糊口を凌いだモンさ。オレが冒険者になった理由は単純明快!金が欲しかったからよ! まぁそんなこんなで色々あってオレは遂にダンジョンを見つけた。 その日はとても興奮してなかなか寝付けなかった。 次の日の朝、早速ギルドに向かった。 「ダンジョンを発見したんですけど……」 「それは本当ですか?」 「はい」 「わかりました。ではこちらに記入をお願いします」 名前、性別、年齢、職業etc. 「はい。できました」 「確認させていただきます」 アルバス・カルマっと……次は特技だな。 「特技は何でしょうか?」 「強盗です」 「……」 「冗談ですよ。嘘発見器にかけてもらってもいいんですよ?」 「……」 「……」 「ダンジョンマスターです」 「はい。登録完了しました」 ……よし!次だ。 「次に探索許可を貰いたいのですが」 「畏まりました。ギルドカードをご提示ください」 「どうぞ」 「確かに。それでは許可証を発行してきますので少々お待ち下さい」 「わかりました」 すると、ギルドにいた連中が何かヒソヒソ話を始めた…曰く「アイツ『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』じゃ…?」「バカ言え、そんなのここに来るわけ…」「でも本人だしなぁ」「なんで生きてんだよあいつ」「てか、あれって魔王倒したんじゃね?」「あーなんか聞いたことあるような気がする」「確か魔王倒してから行方不明になってたはず」……おい誰だ今オレのこと噂した奴は。 ちょっと面貸しな! 少し待つと受付嬢さんが現れた。 「お待たせ致しました」 「いえ」 「これが許可証になります」 「どうも」 「それと、ランクアップ試験についてですが、明日の昼頃に行ってもらうことになりました」 「了解です」 「場所はここの近くにある森です」 「わかりました」 〜翌日〜 「今日はよろしく頼む」 「はい。こちらこそ」 そして街外れまで来た所で…首元にナイフを突き付けられた。 「アルバスさんよ、アンタが二度目の人生を過ごしてる事なんざ等にお見通しよ」「なんのことだ?俺はただの冒険者だが」 「とぼけんじゃねぇ!てめぇはあの時死んだはずだろうが!」 「……」 「だんまりか、なら思い出させてやるよ。オラァ!!」 首を切られた。 「痛ててててててて、ああ!そうだ!オレは一度殺されたんだったな!いやぁ懐かしいな〜」 「チッ!まだとぼける気か!?」 「だから違うと言ってるだろうが!」 「黙れ!!死ねええ!!」 何度も刺された。だが、 「無駄だよ。いくら攻撃しても」 「クソッ!」 「諦めろ」 「うるさい!」 今度は殴りかかってきた。しかし、 「お前の攻撃はもう見切った」 「グハッ!」 「終わりだ」 「ま……待ってくれ……謝るから……」 ……こうしてオレは試験に合格し冒険者になった。 それからというもの、オレの活躍は目覚ましかった。 まずはC級に昇格してクランを立ち上げ、S級冒険者に上り詰めた。 そして世界を救った。……………… 「ん?ここはどこだ?」 「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」 「おおぉぉ!生まれたぞ!俺の子だ!!」 「……」 「あなたに似てイケメンになるわねー」 そして産まれたのは…『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』だった。この世界でその名を知らないものはいない。 初代勇者として語り継がれる男の名だ。 オレの名前はアルバス・カルマ。 元勇者である。 オレが冒険者になった理由?それは簡単。 金がなかったからだ! いやぁ最初は大変だったぜ? 強盗とかやって糊口を凌いだモンさ。オレが冒険者になった理由は単純明快! 『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』の謎を探る為だ。 恐らく神もそれを望んでるのだろう…何故ならば、オレは神によって転生させられた存在なのだからな…… そういえばオレに名前をくれた神様がいたな…… その人は一体何者なのだろうか…… もし会えるのであれば是非とも聞きたいものだ。……………… 「というわけで、これからはダンジョン攻略をメインに活動していくつもりだ」 「へーそうなんだ。ヨロシクね、オイチョカブさん」 「……」 「何よ!文句あるの?」 「……ないです」 「よろしい!それじゃあ早速ダンジョンを探しに行きましょうか!」 「「おー!」」 こうして3人(2人と1匹)は旅立った…… 今回からドブオークのドブンが仲間に加わった。 ドブオークとは側溝などの所謂『ドブ』に生息するオークの一種で洗わないと異臭騒ぎになってしまうが、戦闘力は高く重宝されている。 そんなこんなでしばらく歩いていると…… 「あったわね」 「ありましたね」 「うむ、では行こうか!」 いざ行かん!我らの城! 『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』の秘密を解き明かす為に! 「いやぁそれにしても、あの時は驚いたよねー」 「……はい」 「全くだな!まさかアイツが魔王を倒すなんて思いもしなかったぞ!」 「ホントだね〜私もビックリしたよ〜」 「あはは」 「アルバスさん、そろそろ『供物の祭壇』に着きますよ」 ドブンがそう言って指差す方に目を凝らすと、巨大な石造建築物が見えた。 あれこそが伝説の『供物の祭壇』か! 「うむ、わかった。だがその前に一ついいかな?」 「なんでしょう?」 「腹が減った」 「わかりました。ちょうど近くに村がありますのでそこで何か食べていきましょう」 「ありがとう」 〜村にて〜 「おっちゃん、この村の名物ってなに?」 「これは旅の方。そうですな…この村の名物…『丸焼き』がございますぞ」 「なんの丸焼き?」 「丸焼きは丸焼きです…ささ、こちらへ」「え?ええぇぇ!?」 「おい、どうしたんだ!急に大声出して!」 「だって、あのおっちゃんが……」 「なんだよ、別に普通だろ?それより早く行くぞ」 「は、はい」 「「「いただきまーす」」」 「うん、うまい!」 「本当ですね」 「確かに美味いな!」 「でしょ!」 「「……」」 「それで、この後はどこに行くんですか?」 「次は南にある『大穴』を目指す予定だ」 「そこには何があるのですか?」 「かつて封印された魔神がいるらしい」 「魔神!?」 「ああ、なんでも凄まじく強いらしくてな。まだ誰も倒した事がないそうだ」 「なるほど」 『丸焼き』は美味しかったが、何の丸焼きかは最後まで教えて貰えなかった。 「さぁ着いたぞ!ここが『大穴』だ!」 「「おおぉぉ!!」」 目の前には天高くまで聳える岩山があった。……………… そしてオレ達は『大穴』へと足を踏み入れた。 そこはまるで洞窟のようにゴツゴツとした地面が広がっており、所々に松明が設置されていて視界は確保されていた。既に誰か来ているようだ。早速奥へ進んでみる。 すると大きな広場に出た。そこに一人の男が立っていた。 恐らく先客だろう。 オレ達に気付いたのか男は振り向いた。 「これはこれはアルバス殿…いや『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』を追い求める者よ」 「なっ!?なぜそれを!!」 「ふむ、やはりそうだったか。……そう警戒しなくてもよい。私は君を歓迎するよ。ようこそ、冒険者ギルドへ」 「……ここは一体なんだ?あんたが管理してるのか?」 「うむ、その通りだ。この世界は神によって作られた。そして神は我々にこう告げたのだ。『オイチョカブとババロアの謎を解き明かせ』とな……」 「それで、ここに来たって訳か」 「そういうことだ。……ところで君は、一体何を求めて旅をしているのかね?」 「オレの目的はただ一つ!『オイチョカブとババロアの間に産まれた息子』の正体を知ることだけだ!その為ならばどんな危険も厭わない覚悟だ!」 「ほう、そこまで言うなら仕方ない。私に協力させてあげても構わんが?」「是非ともお願いしたいところだが……まずは何者なのかを教えてくれないか?」 「うむ、よかろう。私の名は『ドン・キホーテ』という。冒険者のランクで言うとBといったところか」 「よろしく頼むぞ!ドン!」 「うむ、こちらこそだ」 〜その後〜 「そういえば、ここにはダンジョンは無いのだろうか?」 当然の疑問を俺は口にした。 「アルバス殿、あるにはあるのですが…その」 「何だよ?」 「お連れのドブオークの命をささげないと開かないのです」 「なんでそんな面倒なことになってんだよ!もっと簡単に開けられないのかよ!」 「それが無理なんですよね〜♪」 「誰だお前は!」 いつの間にか一人の少女が居た。 「初めまして!私の名前は『テッサリア』と言います!以後、お見知りおきを!あっ、ちなみに性別は女です!一応これでも『女神』」 それがテッサリアが言い残した最後の言葉になった。 怒り狂ったドブンに絞め殺されたからだ。………… 「えっと、気を取り直して先に進もうか」 「そうですね」 「お、おう」 それからしばらく進むと、また一人の男に遭遇した。 「おやおや、これは珍しい。『供物の祭壇』に訪れる者が居るとは」 「なあ、アンタはここで何をしているんだ?」 「私かい?私はね、『オバ息』を探し求めているんだよ」 「なんだよそれ」 「おや、知らないのかね?伝説の勇者ルシウスが闇堕ちした際に、彼が産み落としたとされる闇の眷属だ」 「そうなんですか」 「ああ、しかし奴らはどこにいるのか分からなくてねぇ」 「もしよかったら場所を知っていますよ」「ほ、本当かい!?」 「えぇ、もちろんです」 「ありがとうございます!!では早速向かいましょう!!」 「「はい」」 「「……」」 「どうしました?」 「いえ、なんでもありません」 「そ、そうだな」 「さぁ、着きました。ここが『大穴』の最深部ですよ」 そこは、薄暗い大広間だった。奥には台座があり、その上には一つの宝箱が置かれていた。 そして、そこには一人の少女が座っていた。 黒いフードを被っていて顔はよく見えない。 声から察するに年端もいかない子供だろう。 オレ達はゆっくりと近づいていった。 少女は立ち上がり、こっちを見た。 その瞬間、オレ達は目を見開いた。 何故なら、彼女の頭の上に『種族名』が表示されていたからだ。 『魔王』と。 「よく来たな、我の名は『ネメア』……『大穴の主』である」…… 「我が名は『ネメア』……『大穴の主』である」 目の前にいるのは、間違いなく幼い女の子だ。なのになぜこんなにも威圧感があるのか。 「関係ねぇ、先手必勝!」 女神の体液を浴びパワーアップしたドブンが『ネメア』に殴りかかる。だが、次の瞬間信じられないことが起こった。 「遅いわ」 そう言ってネメアはドブンの腕を掴み、そのまま持ち上げて地面に叩きつけた。 「グハッ」 「ドブンさん!」 「大丈夫ですか!」 「おい!お前、今どうやってあの巨体を投げた!」 「簡単なことだ。……それより貴様らが持っているその石……『魔鉱石』か?」「なっ!どうしてそれを!」 「ふん、やはりそうであったか。……ならば、こちらとしても手加減無用だ」 そう言うと、ネメアは指を鳴らした。すると、どこからともなく大量の魔物が現れた。 「「「グォー」」」 「なんだよあれ!」 「恐らく、このダンジョンに生息するモンスター達でしょう!」 ドンとドブンがモンスター達の前に立ちはだかる。 「アルバス殿、ここは任せられよ!」 「怪物どもが…皆殺しにしてくれるわ!」「くそ!頼んだぞ二人とも!」 「うむ」 「承知!」 二人が戦い始めると同時に、俺も動き出した。 「よし、まずはこの状況をなんとかしないと!」 俺はアイテムボックスから聖剣を取り出し、構えた。 「なんだそれは?」 「まあ見てろって!行くぜ!…………せいやぁ!」 俺は勢いに任せて、思いっきり振り下ろした。 ガキンッ! 鈍い音がした。 「……嘘だろ?まさか折れたのか?」 「ふはははは!そんなものでワシを倒せると思っておるのか!」 「まじかよ!どうすんだよこれ!」 「さぁ、次はこちらの番だ!」 そう言うと、ネメアは杖を構えた。 だが…杖から出たのは単なる光の瞬きだった。 どうやらモンスターの戦闘力に応じて杖の攻撃力が増減するらしい。 後ろを見るとドンとドブンが善戦していた。ドブンに至っては巨大化しモンスター達を生で食らっていた。あいつあんな奴だったのか…。 「ちぃ!小賢しい真似をするでない!」 「ははは!馬鹿め!これがオレの力だ!」 「ならこれでどうかな?」 今度は、魔法陣のようなものを描いた。 「喰らえぇえい!!」 光弾が放たれたが、これも威力が弱い。 「ふざけおって……」 「もう止めとけよ、ネメア。お前の負けだ」 俺は呆然と立ち尽くすネメアに折れた聖剣を突き立てた。聖剣は呆気なく彼女の身体に刺さり、ネメアは絶命した。 「はぁ、やっと終わった」 「見事じゃったぞ」 「ご無事で何よりです」 「おう、二人共ありがとよ」 「いやぁ、それにしても強かったな」 「えぇ、流石は大穴の主と言ったところでしょうか」 「ん?」 「どうかされましたか?」 「いや、なんか変じゃないか?」 「ネメア肉! ネメア肉!」 ドブンはネメアの死骸を貪り食ってる。「ははは、面白い方ですね」 「ははは、確かにな。……ところで、どうしてこんなところに魔王がいるんだろうな?」 「そういえば、そもそも魔王とはなんなのでしょうかね」 「さぁな、まあいい。とりあえず帰るか……」 そして、俺達は地上に戻った。 結局『オイチョカブとババロア』の謎は解けなかったが、旅は良いものだ。オレ達は『大穴』を後にした。 完。

公開 最終更新: 2021-12-27 02:29:51 PM