おっちゃんねる

『おっちゃんねる』は最近出来たばかりの匿名掲示板である。 『はてな匿名ダイアリー』通称『増田』で宣伝が投稿され、バズって一気に利用者が増え現在に至る。 半年後、利用者有志による『第一回おっちゃんねるオフ』が開催されようとしていた。 彼の名は『越智 やん郎(おち やんろう)』。そんなオフ会への参加を心待ちにしていた。 「今度のオフ会でどんな人に会えるのかな」 彼はそう思いながらオフ会の参加者募集ページを開く。 そこには参加希望者たちのプロフィールと顔写真が表示されていた。オフ会は明後日開催だ! 俺はこの日のために新しい服を買ったんだ! 彼も参加する気満々だった。 しかし次の瞬間、目を疑うような事実を知ることになる…… 「えっ!?嘘だろ……」 『参加予定者一覧』の中に彼の名前は無かったのだ……。 ---------- そして時は過ぎオフ会当日を迎えた。 彼は集合場所へ向かうために電車に乗っている。 (遂にこの時が来たか……楽しみだなぁ) そんなことを考えているうちに目的地に到着したようだ。 彼は周りを見渡す。既に結構集まっていた。 「あ、やん郎さん!」参加者の一人が声をかけてくる。どうやら彼が最後の一人らしい。 「今日はよろしくお願いしますね」 「こちらこそよろしくです」 彼は挨拶を交わしたあと早速オフ会の会場であるファミレスへ向かった。 会場には既に10人程が集まっており、店員の指示に従い席に着く。 全員着席したのを見計らって、幹事と思しき男が挨拶をした。「皆さんこんにちわー!本日はお集まりいただきありがとうございます。オフ会の幹事を務めさせて頂きます『@pj_kawa』と言います。気軽に『かわ』とお呼び下さい。それでは自己紹介から始めましょうか、まずは私から…」 こうして参加者たちは自己紹介を始めた。年齢、性別、職業など他愛もない話をして親睦を深めていく。 そんな中、話題は次第にオフ会の目的へと移っていった。 「それで、オフ会の目的は何なんですか?」一人の男性が質問する。 すると他の男性陣も口々に質問を投げかけ始めた。その様子を見かねて幹事が答える、「実はオフ会に参加した理由はただ一つだけなのです。それはズバリ、オフパコですよ!!」 一瞬にして場の雰囲気が変わる。 「マジすか?w」「おいおいwww」といった反応が見られた。 その時、彼は思った。 (ここ、男しかいねーじゃん) その疑問はすぐさま解消された。 「ああ、安心して下さい。女性の方もいらっしゃいますよ」 彼はホッとした表情を見せる。 (良かった〜女性もいるのか) その後幹事がオフパコの詳細について説明し始めた。 (めんどくせー上にどうせ追加料金取られるんだろ…途中で抜けてオフ会スレに暴露投稿でもするか)そんなことを考えつつ適当に聞き流していると話が終わりそうな気配を見せた。 「はい、これで大まかな流れの説明は終了となります。何か質問ありますか?」 手を上げる者は誰もいない。 「無いようですね。では次にグループ分けを行いたいと思います。男女各5名ずつで合計20名にしたいと思ってるのですがよろしいでしょうか?」 (おいおい、大胆過ぎるだろ…ここファミレスだぜ? ファミレスでオフパコの班分けするのかよ) 彼は呆れて早く帰りたくなってた。 だが周りの男性はノリノリの様子だ。 「いいっすねぇ〜」とか言ってる者もいる。 (勘弁してくれよ……) そう思ってると早速グループが決まっていく。 「次は俺達か」 どうやら自分達の番になったようだ。 「越智やん郎さんですね! やん郎さん、セーラー服と化粧品セット一式お貸ししますので『女役』おねしゃす!」 「ええ!? 女装して犯されろってことですか!?」 「もちろんタダとは言いません! お金払いますんで!」 「えぇ…… まあいいか……」 こうして彼のオフ会での役割が決まった。 (できれば『おっちゃんねる』住人をそういう色眼鏡で見たくないんだけど…えっちは好きだし別にいいか) --- 数十分後。 彼を含む『おっちゃんねる』オフ会参加者たちはホテルのロビーにいた。 グループごとに分かれ幹事からルームキーを受け取りそれぞれの部屋に向かう。 「いやー、やん郎さんとセックス出来るなんて光栄だなぁ」 「あはは…(キモっ)」「じゃあ行こっか」 「はい……」 こうして2人は部屋に消えていった。 その頃、別の部屋では…… 「へっくしゅん!」 「どうしたんすか先輩?風邪?」 「ううん、大丈夫。誰かが噂してるかも……」「そんなわけないじゃないすかwww」 --- 「さあ、やん郎さん。もう逃げられないよ。服を脱いでベッドに座って。」 「はい……分かりました……」 彼は言われた通りにする。 「まずはキスからだね」「は、はひっ!」 ちゅっ……れろっ 舌を絡ませながら濃厚なディープキスをする。 「ふぅー、次はおっぱいを見せて貰おうかな」 「はい!」 彼は上半身裸になる。 「おお、綺麗なおっぱいだね」「ありがとうございます」 彼は恥ずかしくて顔を赤らめる。 「乳首も見せてみようか?」 「は、はい!お願いします」 ぷりんっとしたピンク色の突起が姿を現す。 「可愛いピンクだね。舐めてあげるよ」ぺろっ……じゅる、ちゅー…… 「あっ♡あん……」 「気持ちよくなってきたみたいだね。じゃあそろそろ下の方を見せてくれるかな?……あれ?どうしたの? スカート脱がないの?」彼は俯いたまま黙っている。 「もしかしてパンツも履いてきちゃった感じ?」 「……」 「しょうが無いな〜、それなら僕が脱がせてあげようじゃないか!」 そう言うと、彼は強引に彼のスカートに手をかける。「わわわ、待って下さい!自分でやりますから!!」 彼は慌ててスカートを押さえ抵抗する。 「なんで? 今更隠すことないじゃん」 「でもぉ……恥ずかしいしぃ……//」 「仕方ないなぁ。ほら、前をめくり上げるだけでいいから…おおう、小ぢんまりとしたかわいい…おちんちんだね」「きゃああああああ!!!!!」 彼は悲鳴を上げて両手で股間を隠した。 その様子に男は困惑している。「ど、どうしたの?」「ごめんなさい……実は私……女の子にしか興味が無くて……男の娘はダメなんです……」 「ええ!? そんな……せっかくここまで来たのに……僕の人生返してよー!」 彼は泣き出してしまった。 「あーあ、途中までいいムードだったのに白けちまった…」 彼は元の服に着替え部屋からすでに出ていた。 まさか誘っておいてドン引きされるとは想定外だった。尤もギャラは幹事から多めに貰ったしこれ以上ここにいても意味はないのだが。 (クソが……帰ろ) そう思いながらエレベーターに乗ると先ほどのオフ会参加者達が乗っていた。 (げっ、あいつらもかよ) 「やあ、やん郎くん」 「どうも……」 「君も帰りかい?」 「まあそんなところです」「じゃあさ、これから飲み直さない?」 「ええ……でも俺酒飲めないですよ」 「ノンアルもあるから大丈夫だよ。それにまだ時間あるしさ」 「はぁ……」 (めんどくせえな……)「なんだよ、ノリ悪いぞ〜」 「すいません、この後用事ありますので失礼します」 「えぇ、ちょっと待ってよ」 チンッ! そうこう言ってるうちに1階に着いた。 「おい、逃げる気か!」 彼は走って逃げた。 (あの甲斐性なしのホモ野郎ども、いつかぶっ◯す) こうして彼のオフ会は幕を閉じた。 そしてオフ会から数日後…… とあるニュース番組で『おっちゃんねる』が取り上げられてた。 「えー、皆さんは『おっちゃんねる』というコミュニティを御存知でしょうか。 ここでは匿名掲示板で様々な議論や雑談が行われています。」 テレビではニュースで『おっちゃんねる』について取り上げられていた。 「このサイトでは『男の娘』と呼ばれる男性同士の恋愛やエッチな画像が投稿されているのですが、最近になって一部の過激なファンによる女性への嫌がらせが相次ぎ、社会問題となっています。」 「ネットでの誹謗中傷などには法的措置も検討されていますが、警察側はそもそも男性が好きな人というのはごく普通のことだと考えており、差別的な意図は無いとしています。」 「また、最近では女装して男性とセックスをするといった内容の動画もアップロードされており、実際に被害に遭った方もいるとのことです。」「現在、運営側は全て削除したと発表しております。」 「続いて次のニュースです。」 終わり。

公開 最終更新: 2021-12-27 08:27:17 AM