望みの先の怪談。 カルテ1。

ふぅ。今日のバイトは、終わり。 ただ1人、家路に着く。 そんな中、ふと、頭に違和感を感じた。つぅっと。何かが抜き取られていくかのような感覚がした。 その翌日も、そのまた翌日も。ずっと、その感覚は戻りはしなかった。 しかも、いつも同じバイト終わりのこの家路のこの場所で。 避けて帰ろうにも、絶対にここを通らないと帰れないので、諦めている。 27日目。誕生日が近づいてきた。 バイトをやっていた私は、誕生日に絶対、貯金したお金で自分を満足させる、と決めていた。 だが…。 自分の誕生日御籤は大凶と出たようだった。 深夜5時ごろ。もう誕生日だった。あれ。私、いつ帰ってきてたっけ?寝落ちちゃってた…。 あぁ。そういえば、ストーリーもプロフィールも更新していない。しなきゃ。 え…。動けない。というか、喋れない。ここは…?どこ…? 自分は、どうやら道で倒れて、意識を失っていたらしい。 もう、誕生日からは1ヶ月以上経っている。見知らぬうちに私は、長い時を寝て過ごしていたようだ。 もう。話せないのか…。この病気は、脳神経のうちの声帯直結型が損傷される病気で、声が一生出なくなる。と言われた。 私は今、新人見習いの俳優として働いているうちの1人だった。 将来の夢は大型俳優。期待は大きく、ついこの前。大型企業からの勧誘が来て、そのための準備を、していた。 そのための、お金だった。自分の夢を叶えるためだけに。でも、もう叶わないようだ。 どうしようもない。涙すら、出ない。 もう、何もできなくなって。私は今、屋上から、綺麗な夜景に身を預け、もっと暗い世界に旅立った。

公開 最終更新: 2026-10-23 03:54:30 PM